本コンテンツでは、自作の防音室に適した換気扇サイレンサーの製作方法について詳しく解説します。換気と防音の両立を実現し、快適な空間を作り上げるためのポイントを押さえましょう。
みなさんこんにちは。ぱぱさくです。防音室の自作も最後のパーツとなりました。防音室には必須の換気扇用のサイレンサーの自作を解説いたします。
どの程度のレベルのサイレンサーが必要なのか??
具体的な設計内容、寸法は?
使用する材料は?
では、換気扇の設置およびサイレンサーの自作をご紹介させていただきます。
換気用サイレンサーの必要性
防音室は気密性が担保されているため、防音室だけの構造では換気が全くされません。
このため、強制的な換気なしでは夏は暑く、暑さ対策にも換気は必須ですし、DIY作業用として粉塵が発生する作業では、粉塵が除去できません。このため、防音室では換気扇が必需になります。
ただ、通常の換気扇のように室内空気を排気してしまうと、室内の音がダイレクトに外に伝わってしまします。これは吸気口にも同じことが言えます。
換気口、吸気口からの音漏れを防ぐにはサイレンサーの設置が必要になります。
熱交換式の防音室用換気扇(三菱「ロスナイ」)も販売されていますが、非常に高価です(私にとっては(笑))し、ロスナイ等の熱交換式の換気扇は排熱効果が小さいため、夏場の暑さ対策には向いていません。ロスナイ参考価格:3万円
なお、サイレンサーさえ設置できれば通常の換気扇でも防音出来るため、自作でサイレンサーを調達するのが良いですね。
換気扇サイレンサーの基本構造と仕組み
サイレンサーの種類と特徴
換気扇サイレンサーにはいくつかの種類があります。代表的なものを以下に紹介します。
1. 吸音タイプサイレンサー:内部に吸音材を詰め込み、音を吸収することで騒音を低減します。コンパクトで設置しやすく、DIYにも適しています。
2. 反射型サイレンサー:音波を反射させて外に漏れる音を減少させる構造です。比較的シンプルな設計で、風通しも良好です。
3. 吸音・反射併用型サイレンサー:吸音材と反射構造を組み合わせ、より高い防音効果を実現します。高性能なものが多いですが、やや複雑な設計となります。
私の場合は今回は、最も消音効果の高い3.吸音・反射併用型を採用しました。
音を抑える仕組みと原理
サイレンサーは、換気扇から発生する騒音を効果的に抑えるために、以下の原理を利用しています。
吸音:吸音材(ウレタンフォーム、フェルト、グラスウールなど)を内部に配置し、音波を吸収します。これにより、音のエネルギーが減少し、外部に漏れる騒音が低減されます。
反射:音波が反射板や内部構造に当たることで、音の伝播を妨げ、外部への漏れを抑えます。特に反射型サイレンサーでは、この仕組みが主な防音効果となります。
共振抑制:適切な長さや形状のダクトを設計することで、特定の周波数の音を共振させて打ち消すこともあります。
サイレンサーに使っている材料については下記コンテンツに記載されていますのでこちらもご参照ください。
【防音室自作!完全攻略】|費用・材料・施工ステップを詳しく解説!その2~材料の選定編~
サイレンサーの自作手順
- 換気口の設置(吸気側、排気側)
- サイレンサーフレーム作製
- フレームのコーキング
- フレームへの遮音材貼り
- 防音壁への吸音材の設置
- フレームへの吸音材の設置
- 防音壁へのサイレンサー設置
サイレンサーの使用材料
- ツーバイフォー(フレーム、換気口)
- 12mm合板(フレーム)
- 遮音材(ダイケン遮音材 940SS)
- 吸音材(uxcell 吸音マット)
- 換気扇(山善 YKF-15)
上記材料の価格については下記コンテンツにて掲載しておりますので詳しく知りたい方はご確認くださいませ。
【防音室自作!完全攻略】|費用・材料・施工ステップを詳しく解説!その2~材料の選定編~
サイレンサーの設計
排気側のサイレンサー
サイレンサー自体は防音壁の外側に設置するため、防音壁の大きさに収まる大きさに設計する必要があります。今回は縦570mm、横670mmにて設計しました。
防音壁の自作はこちらで確認できます↓
【防音室自作!完全攻略】|費用・材料・施工ステップを詳しく解説!その4~防音壁の製作編~
サイレンサー内部の排気管の幅は反射効果を使うため211mm、140mm、100mm、60mm、50mmと小さくしていきます。
音の性質から、大きな空間から小さな空間に伝達する際に音が減衰されますので、この性質を使い、排気管を徐々に小さくする構造としています(反射効果)。
サイレンサー排気側設計図
また、排気管内には遮音材及び吸音材を設置することで、サイレンサーからの音漏れを防ぎ、更に音が排気管内を通過する際に吸音させる設計としました。
サイレンサーを設計する際の注意点は、音の減衰ばかりを優先して排気管の幅を狭しすぎると排気効率が低下するので、音の減衰と排気効率とのバランスが必要ですよね。
吸気側のサイレンサー
吸気側のサイレンサーは防音扉に付随する防音壁の外側に設置しますので、この防音壁のサイズに合わせて設計しました。
かなり細いので、吸気配管の構造も排気側とは異なる構造にしました。防音壁の側面に乗っける感じです。幅は181mmなのでかなり細い構造です。長さは1.2mあります。
防音扉の自作は下記のコンテンツで詳しくご紹介しております。
【防音室自作!完全攻略】|費用・材料・施工ステップを詳しく解説!その5~防音扉の製作編~
こちらの構造は排気管の幅が30mmになるように邪魔板を取り付け、排気側同様に音を減衰させるようにしました。吸音材も内部には設置していますよ。
吸気側サイレンサー設計図
防音壁側の壁面には排気側同様に吸気口を設置しています。
換気口の設置
排気側
換気扇を取り付ける換気口(換気扇設置フレーム)は防音壁製作時に同時に作製します。今回使用する換気扇は山善のYKF-15ですので、この本体に合う換気口を自作します。参考価格:6000円
換気口のサイズは内寸で180mmの正方形になりますので、これを今回はツーバイフォーで製作しました。
換気口のフレームを自作した後は防音壁に設置して換気口は完成です。防音壁と換気口の接合面はコーキングでしっかりと気密します。
換気口の設置
ここの換気口には予め購入した山善の換気扇を取り付けます。品番のYKF-15の「15」はファンの大きさが15cmであることを表します。排気能力としてはそれ程強くはありませんが、防音室の広さを考えれば十分です。
YKF-15には写真のようなフィルターが付属していますが、フィルターを外すと換気性能は格段にアップします。真夏でも涼しいくらいです。スースーしますよ。
キッチン用の換気扇のように「ゴゴゴ~」とうい爆音で強い換気が良い場合はYKF-25がおすすめです。流石に、ここまで強い換気扇になると冬場が寒くなるため、YKF-15を選択しました。
換気扇の設置 山善YKF-15
吸気側
吸気側の換気口は換気扇を設置する必要がありませんので、直径100mmの円形としました。こちらはホールソーで施工し、更に遮音材を設置して音漏れを防ぐ構造としています。
何だか、おみくじの箱の口みたいですよね。ウチの娘がここに手を突っ込んでよく遊んでます(笑)。
吸気側換気口
サイレンサー本体の自作
- サイレンサー本体はフレームをワンバイフォーで作製
- フレームに12mm合板を貼り付け
- サイレンサー内部の排気管を作製するため、同じくツーバイフォーで邪魔板を設置
- フレーム内に遮音材を設置
- 遮音材の上に吸音材を設置
- サイレンサー本体の完成 こんな感じです↓
排気側サイレンサー本体
吸気側サイレンサー本体
防音壁側への吸音材の設置
サイレンサー本体にに吸音材を設置しましたが、サイレンサー内でのより一層の吸音効果を高めるため、サイレンサーを設置する防音壁側にも吸音材を設置します。
貼り方はサイレンサーのフレーム部分を避けて張ります。
写真で見ると中途半端な貼り方ではありますが、フレームを避けて貼るとこのようになります。これは吸気側も排気側も同じです。
排気側防音壁への吸音材の設置
吸気側防音壁への吸音材の設置
防音壁へのサイレンサーの設置
サイレンサー本体が完成しましたので、これを防音壁に設置します。
設置方法はビスで留めるだけですので簡単です。排気側のサイレンサーのフレームは端材で自作しましたのでツギハギです。
排気側サイレンサー防音壁への設置
吸気側サイレンサーの設置
こちらは排気側の排気口ですが換気扇を回しますと結構な勢いで風が出てきますので、排気管内の幅としてはちょうど良かったかと思います。
排気側サイレンサーの排気口
おススメの市販のサイレンサー
サイレンサーを自作する手間を省きたい方は市販のサイレンサーを使用するのもありですね。サイレンサーは吸気用と排気の換気扇用の2つがありますが、いずれも市販品がありますのでチェックしてみてくださいね。
吸気用は100πのもので2500円程度。。
排気側のもので4500円程度です。
換気効率と防音性能の両立ポイント
通気性を確保しつつ音を遮断する工夫
防音室において換気と静音性を両立させるためには、工夫が必要です。まず、換気扇のダクトやサイレンサー部分には吸音材を適切に配置し、音の漏れを抑えつつも空気の流れを妨げない設計を心がけましょう。
ダクトの長さや形状を工夫することで、音の伝播を抑えながら十分な通気性を確保できます。また、ダクトの途中に吸音材を詰めたり、遮音性の高いダクトカバーを使用したりすることで、騒音を効果的に低減しつつ換気を行うことが可能です。
風量と静音性のバランス調整
換気扇の風量と静音性はトレードオフの関係にあります。風量を増やすと換気効率は向上しますが、騒音も増加しやすくなります。逆に、静音性を重視すると換気能力が低下する場合もあります。これをバランス良く調整するためには、以下のポイントを押さえましょう。
適切な換気扇の選定:静音タイプや風量調整機能付きの換気扇を選ぶ。
ダクトの最適化:ダクトの長さや直径を調整し、風の流れをスムーズにする。
吸音材の併用:サイレンサーや吸音材を設置し、騒音を吸収・抑制する。
風量調整機能の活用:必要に応じて風量を調整し、静音と換気効率のバランスを取りましょう。
よくある質問(Q&A)
DIY初心者でも作れる?
はい、適切な設計と材料選び、基本的な工具さえあれば、DIY初心者の方でも十分に作成可能です。最初は簡単な構造から始めて、段階的に難易度を上げていくと良いでしょう。インターネット上には多くの作例や解説動画もありますので、それらを参考にしながら進めると安心です。
予算別の製作例やコツ
予算に応じて、使用する材料や設計を工夫することができます。低予算の場合は、身近な素材や再利用可能な部品を活用し、シンプルな構造にするのがおすすめです。
予算に余裕がある場合は、高性能な吸音材や遮音材を使用し、より高い防音性能を追求できます。コツとしては、コストを抑えつつも効果的な材料選びと、必要な部分に重点的に投資することです。
失敗しないための注意点
失敗を避けるためには、事前の計画と設計が重要です。以下の点に注意しましょう。
設計の段階で十分なリサーチを行う:材料や構造の特性を理解し、適切なサイズや配置を決める。
材料の選定に注意:吸音材や遮音材は効果と耐久性を考慮して選ぶ。
施工時の密閉性を確保:隙間や穴があると音漏れや換気効率に影響します。しっかりと密閉しましょう。
段階的に進める:一度にすべてを完璧にしようとせず、段階的に進めて調整や改善を行う。
風量と静音性のバランスを意識する:風量を上げすぎると騒音が増加します。逆に静音性を重視しすぎると換気能力が低下します。必要に応じて調整し、バランスを取ることが大切です。
施工時の注意点:組み立てや設置の際には、部品の固定や接続部分の密閉に注意しましょう。振動や緩みがあると、騒音や性能低下の原因になります。
試験と調整を行う:完成後は実際に動作させて効果を確認し、必要に応じて調整や改善を行いましょう。音漏れや換気不足があれば、必要に応じて調整しましょう。
サイレンサーの自作まとめ
今回はサイレンサーの自作について紹介させていただきました。
構造は簡単そうですが、実際にどんな寸法で設計したらよいか、具体策がわからず迷走してしまうパーツでもありますので、具体的な寸法も交えながら紹介させていただきました。
このサイレンサーでどれくらいの消音効果が出るのかは、下記の防音室検証でお伝えさせていただきますね。結論を先に紹介させていただきますと、今回のサイズでも十分です。エンジンなどのマフラー構造のように、あまり極端に排気管内の幅を狭する必要もないかと感じました。
【防音室自作!完全攻略】|費用・材料・施工ステップを詳しく解説!その10~防音効果の検証編~
排気効率を損なわない程度の設計が重要ですね。
防音室の自作の設計概要については下記コンテンツにてご紹介しておりますので、こちらも確認いただくことで防音室自作の全体がよく理解できますのでご参照くださいませ。
【防音室自作!完全攻略】|費用・材料・施工ステップを詳しく解説!その3~設計編~
快適な防音室環境を実現する換気扇サイレンサーの自作 防音室において、換気と静音性を両立させることは快適な空間を維持するために非常に重要です。自作の換気扇サイレンサーは、適切な設計と材料選び、施工の工夫次第で、コストを抑えながら高い防音性能と換気効率を実現できます。
初心者の方でも、事前のリサーチや計画をしっかり行い、段階的に作業を進めることで、失敗を避けながら満足のいく結果を得ることが可能です。
ポイントは、通気性を確保しつつ音を効果的に遮断する工夫と、風量と静音性のバランス調整です。これらを意識して取り組むことで、快適で静かな防音室環境を自分の手で作り上げることができます。ぜひ、挑戦してみてください。
サイレンサーの自作が難しい場合は??
サイレンサーを自作せず、市販品を使用したい方は冒頭で紹介しました、三菱のロスナイがおススメです。
市販の防音室にも使用されている製品ですので信頼性は高いかと思います。
吸気、排気の両側が一台にセットされているためこれ一つで吸排気が可能になり、「寒いときモード」、「排気専用モード」への切り替えも可能です。
次回は最終の仕上げ塗装について紹介させていただきます。
最後までご試読ありがとうございました。


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