本記事では、DIY愛好者や工具好きの方々に向けて、ミスミのアルミフレームを用いた丸鋸スライド台の自作方法をご紹介します。
市販の製品は高価だったり、サイズや仕様に満足できない場合もありますが、自作することでコストを抑えつつ、自分の作業スタイルに合わせた最適な丸鋸スライド台を作ることが可能です。本記事では、設計のポイントからミスミで調達できる材料の一覧、組み立ての手順まで詳しく解説します。
皆さんこんにちは。ぱぱさくです。今回はDIY作業効率や精度を激変させるツール、そう!アルミフレームで作るコンパクトな丸鋸スライドの自作をご紹介します。
DIYの作業効率や精度に拘りたい方は是非参照ください!
アルミフレームで自作する丸鋸スライドメリット
今回のポイントはフルアルミフレームで設計している点です。フルアルミフレームで設計するデメリットとしては価格が高くなる点が挙げられますが、それ以上に受ける恩恵も大きく、下記にそのメリットを記載します。
アルミフレーム丸鋸スライドメリット
・何といっても見た目がカッコイイ
・耐久性が高い
・メモリ付きガイドを併用することで同じパーツの量産可能
・一度組み立てても、用途に応じて分解して再設計が可能
・歪み、変形がほとんどないため、精度の高い作業が可能
設計サイズ
設計サイズは置き場所に困らないよう、コンパクトなサイズとしました。高さ12cm×長さ50cm×幅55cm。

このサイズ感では、大きな木材は加工できませんが、厚み40mm、幅300mm、長さ650mmの木材まで加工できます。長さについては、ガイドを長くすることで延長することは可能ですよ。
ミスミの材料
使用する材料のほとんどがミスミで調達できますが、一部調達できないパーツもあるためそれらはamazonで調達します。
下記に資材一覧を記載しております。必要な個数や品番、単価も記載していますので、製作上の参考になれば幸いです。
私がweb上で探索した限りでは、資材一覧を掲載しているサイトはなかったため、下記はかなり有益な情報かと思います。
アルミフレームは予めミスミでカットすることもできるため、所定の長さにカット済のモノを購入した方が、組み立てが容易になります。
資材の合計金額は税込み36000円になります。長い目で見ればお安いのではないでしょうか??






Tスロット参考価格:2個セット3200円
アルミフレーム参考価格:4400円
下記は大変お買い得なGenericのアルミフレーム30300サイズ品ですが長さは350mm、400mm、450mmと3種類選択できますので、作業する木材の幅に応じて選択ください。
クランプハンドル参考価格:900円
材料の一覧表
上記で紹介したミスミのアルミ材料の一覧と実際に納入された材料の外観を下記にしましますね。品番も記載されていますのでこちらの品番もご発注時には参照いただければと思います。


ミスミやamazonから届いた材料はこんな感じですね。

外装を外すとこんな感じのパーツになります。No.は上記一覧表に記載の項番です。

各パーツの構造
最初に各パーツのレールのサイズとナットのサイズ関係について説明しますね。
下記は30300フレームと3030フレームの断面構造を示していますが、何れもレールの入り口幅は8mm、レール内部幅は16.5mmであるため、ナットはNo.15のHNTT6を使用してください。

下記の図面は2020フレームとアルミフラットフレームの断面図になりますが、こちらは何れもレール入り口が6mm、内部幅が12mmとなるのでHNTT5ナットを使用してください。

また、使用するブラケットもレール入り口幅の6mmと8mmに対応したものをHBLSS6、HBLFSN5、HBLFSN6を使ってくださいませ。
組み立て手順
土台フレームの組み立て
先ずはNo.1、No.7、No.24、No.25、No.12、No.10を使って土台を組み立てます。フレームNo.7とNo.25はブラケットNo.12を使って接合し、フレームNo.24とNo.7はブレケットNo.1を使って接合します。

その後は、クランプを使ってそれぞれのフレームが直角になるよう接合します。

土台フレームと本体フレームの接合
先ほどの土台と本体フレームを接合します。この際はNo.1のブラケットとNo.14、No.15のナットを使って接合します。

まず、No.1のブラケットとNo.14のナットを本体フレームに接合し、No.15のナットを土台フレームにセットします。

土台フレームと本体側のNo.1ブラケットを接合し、土台フレームと本体フレームを接合します。これで、本体と土台の接合完了です。

アルミフラットフレームの接合
丸鋸をスライドさせるためのNo.3のアルミフラットフレームを土台に接合します。これもNo.1のブラケットとNo.14のナットを使って土台に接合します。
アルミフラットフレームの幅はお手持ちの丸鋸の幅に合わせて調整します。
アルミフラットフレームには丸鋸の滑りを良くするため、戸滑りシートを接着します。

Tスロットの設置
ここで、一旦、Tスロットをセットして物を本体上で固定できるようにします。ナットにはM8ナットを使うと、上手くセットできます。

ガイドパーツの準備
ガイド部分を製作するため、No.2の3030アルミフレームを200mmと250mm、60mmにカットし、クランプとNo21の補強プレートを準備します。

3030アルミフレームのカットには下記の神業チップソーを使いました。価格は1400円とお安いですが、性能はアルミフレームをカットするには十分でした。

丸鋸のチップソーは本体フレームの溝にハマル位置にフラットフレームを固定します。チップソーの高さは溝部分に2~3mm程度入り込む程度に調整します。

なお、私が使用している丸鋸はHiKOKIのDIYモデルですが、価格も12000円と安価で集塵口も付属しており使いやすいです。
なお、ダストコレクタは下記のモノを使用ください。集塵機と接続することで作業時のダストを最小限にできますのでお勧めです。価格は600円。
ガイドの取り付け
3030の250mmアルミフレームをブラケットを使って本体フレームに固定します。アルミフレーム本体に対してガイドの250mmの3030アルミフレームを直角に接続するため、合板を使ってアルミフレーム本体の溝に対して、下記のように直角に固定します。
その後、200mmの3030アルミフレームを250mmの3030アルミフレームに対して水平に固定します。その際にはハンドクランプとアルミフレームを下記のように使いました。

ガイドへの目盛り取り付け
ガイドにはアルミの目盛りを張ることで、量産カットや正確なカットが可能になります。こちらは参考価格:550円。シールタイプですので目盛りを合わせて貼るだけの簡単アイテムです。
目盛りを張った後はチップソーからの距離を計測して、目盛りの位置を調整しましょう。私はチップソーとメモリまでの距離は2mm離しましたので、目盛り自体は2mm~のスタととなります。

土台フレームのカットとステーの取り付け
ガイドにクランプとNo21の補強プレートからなるストッパーを取り付けて目盛りが機能するようにします。また、赤丸部分はチップソーが通るので5mm程度カットしておきましょう。

この赤丸部分をカットしておくことで切断できる木材の幅が広くなります。

赤丸部分の二か所をカットしたら、カットした部分の補強ステーを設置します。下記では20mmの補強ステーを入れて、土台が安定するようにします。

ガイドの種類について
目盛りガイドは長さ別に数種類持ってい入ると便利です。普段は300mm程度のガイドで十分ですが、長物をカットする場合は650mm程度のガイドがあるとよいです。

長物用のガイドには木材の位置が安定するように補助版を設置すると便利です。今回はNo.20の補強プレートを使って補助版を設置しました。

完成
丸鋸を乗せて完成です。作業性には影響はありませんが必要に応じでフレームキャップを取り付けると見た目が良くなりますので、予算に余裕がありましたら取り付けてみてください。

試運転は?
試しに作業してみます!2枚重ねカットができるので、同じパーツの量産には作業効率が上がりますし、精度も高いです。Tスロットを使えば安全に作業できますので、Tスロットも活用ください。
作業性、精度共に抜群です!すごい、すごすぎます!!

幅広の木材は下記のように300mm幅まで設置、加工することができます。
もし、300以上の木材を加工したい場合は本体のアルミフレームの長さを長くすることで対応可能です。

アルミフレーム丸鋸スライド台の自作まとめ
今回はミスミのアルミフレームで作る、丸鋸スライド台を紹介しました。アルミフレーム性の丸鋸スライド台を自作する際の課題は、選択するパーツの種類や品番がわからないところです。
私もこれを設計する際はかなり悩まされましたが、今回はミスミの品番や数量の一覧を記載していますので、組み立て方法も参照いただけますと、DIY好きのお父さんなら誰でも製作可能です。
私はこれの製作に1年くらい悩みましたが(価格面、材料の選択、組み立て方など)、もっともっと早く手に入れるべきだったと思いました。
アルミフレームは木材に比べ高価ですが、価格と引き換えに得られる恩恵も大きいので、本ブログを参考に、DIYライフを良い一層魅力的なものに磨いていただけますと幸いです。
アルミフレーム丸鋸台の自作が難しい方は
今回はミスミのパーツを組み立てるだけで、自作できるアルミフレーム丸鋸スライド台をご紹介しましたが、もしご自分で組み立てる自信がない方は、アルミフレームではありませんが下記のKreg(クレッグ)クロスカットステーション を使てみてはいかがでしょうか?
Kreg(クレッグ)クロスカットステーション
- 厚さ44mm、幅305mmまでの木材を切断できる丸ノコガイドです。
- スライド丸ノコのように素早く、正確に、角度をつけたカットが出来ます。
- 45°まで、自在に角度に調整して切断が可能です。
- MDF材がベースとして使用されており、丸ノコに応じた切れ目(丸ノコの通り道)をつけることができます。
- 対応する丸ノコは、ベースプレート幅が184mm以下、丸ノコの切り込み深さが、51mm以上のものです。
作業性が格段に向上するアイテムになりますよ。価格はアルミフレームで自作するよりはかなり安価で12000円となります。
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