今回は簡単にできるDIY、引き戸が重いときの対策、調整、解消方法について解説します。一見、動きが重い引き戸の調整は難しそうに感じますが、原因さえ特定できれば5分程度で解決しますので、本コンテンツを参照に、嫌な引き戸の重い動きを解消し、快適な日常生活を送っていただければと思います。
引き戸が重い原因とは?
引き戸が重くなる原因はさまざまですが、主に以下のような要素が関係しています。
1. レールや滑車の汚れやほこり
長期間使用していると、レールや滑車にほこりやゴミがたまり、スムーズな動きが妨げられることがあります。これにより、引き戸が引っかかるよう重くなる場合があります。
2. 潤滑不足
レールや滑車に適切な潤滑剤が塗布されていないと、摩擦が増え、動きが重くなることがあります。特に乾燥した季節や長期間メンテナンスを行っていない場合に多いです。
3. レールの歪みや損傷
何らかの衝撃や経年劣化により、レールが歪んだり、亀裂や破損が生じたりすると、引き戸の動きが重くなる原因となります。
4. 滑車や金具の摩耗
滑車や金具の摩耗や劣化も、スムーズな動きを妨げる要因です。特に古い引き戸では、金具の摩耗が進行しているケースがあります。
5. 枠やレールの調整不良
引き戸の位置や高さがずれていると、レールと戸の間に隙間や引っかかりが生じ、動きが重くなることがあります。
これらの原因を特定し、適切な対策を行うことで、引き戸の重い動きを改善し、快適に使用できるようになります。次のステップとして、具体的な点検方法や修理のポイントについてもご紹介いたします。
上記にいくつかの原因を紹介いたしましたが、私の経験上、十中八九 1と2です。私の自宅には4か所の引き戸がありますが、このうちの2か所は1,2が原因でした。
なので、引き戸が重いと感じたら、先ずは上記1,2を疑ってみましょう。
簡単にできる引き戸の掃除とメンテナンス
引き戸の動きが悪くなったと感じたら、まずは簡単な掃除とメンテナンスから始めてみましょう。これらの作業は特別な工具や技術を必要とせず、自宅で手軽に行えます。
1. レールの掃除
引き戸の下にあるレールには、ほこりやゴミがたまりやすいです。まずは、掃除機やブラシを使ってレールの表面にたまったほこりやゴミを丁寧に取り除きましょう。
特に脱衣所の引き戸には髪の毛が絡まりやすいので、頻繁に清掃することをお勧めします。
次に、湿らせた布や柔らかいスポンジでレールの内側を拭き掃除します。汚れがひどい場合は、少量の中性洗剤を使っても効果的です。

2. 滑車や金具の点検
引き戸を動かしながら、滑車や金具の動きに違和感がないか確認します。動きが固い場合は、軽く拭き取るか、潤滑剤を少量塗布しましょう。潤滑剤は、シリコンスプレーや専用のドア・窓用潤滑剤がおすすめです。
3. 潤滑剤の塗布
レールや滑車に適量の潤滑剤を塗ることで、スムーズな動きが復活します。塗布後は、引き戸を何度か開閉して潤滑剤を均一になじませましょう。
4. 位置や高さの調整
引き戸が傾いている場合は、レールの調整ネジを締め直すことで、正しい位置に戻すことができます。調整方法は製品によって異なるため、取扱説明書を確認してください。
なお、調整の一例を下記の解説しますね。

引き戸の上下方向の調整:上図の①のネジの回転で調整します。時計回りにに回転させると上方向に、反時計回りに回転させると下方向に移動します。最大で3mm程度動きますよ。
引き戸の左右方向の調整:上図の②のネジの回転で調整します。時計回りにに回転させると右方向に、反時計回りに回転させると左方向に移動します。最大で2mm程度動きますよ。
これらの簡単な掃除と調整でほとんどのケースは改善します。
引き戸の潤滑剤の選び方
引き戸の動きが重く感じる場合、潤滑剤を適切に選び、正しく塗布することでスムーズな動きを取り戻すことができます。ここでは、潤滑剤の選び方と塗布のポイントについてご説明します。
シリコンスプレーがおすすめ - シリコン系の潤滑剤は、金属やプラスチックに優しく、長持ちします。特にドアや窓のレールに適しています。
油性潤滑剤は避ける - 粘着性が高く、ほこりやゴミが付きやすくなるため、長期的には汚れやすくなることがあります。
用途に合った製品を選ぶ - 引き戸用の潤滑剤と明記された製品や、ドア・窓用と記載されたものを選びましょう。
安全性を確認 - 子供やペットのいる家庭では、無臭・低揮発性の安全な製品を選ぶことも重要です。
滑車の清掃と潤滑油の正しい塗布方法
今回は私がよく経験する、引き戸の滑車のゴミ詰まりと潤滑油の塗布について下記にご紹介します!
引き戸の外し方
必要な道具
- プラスドライバーまたはマイナスドライバー(引き戸の種類により異なる)
- 蝶番やレールの固定具を外すための工具(必要に応じて)
今回、私の引き戸は工具なしで外せましたが引き戸の種類に応じで上記の工具を使用ください。
作業手順
- 準備と安全確認
- 作業前に引き戸の周囲に障害物がないことを確認してください。
- 必要に応じて、手袋や保護メガネを着用してください。
- 引き戸の位置を確認
- 引き戸がレールにしっかりと乗っていることを確認します。
- 引き戸の取っ手やレールの固定具を確認し、外す必要がある場合は準備します。
- レールの固定具を外す
- 引き戸の上部または側面にある固定具やネジをドライバーで外します。
- 一部の引き戸は、レールから外すために上部のレールを持ち上げる必要があります。
- 引き戸を持ち上げて外す
- 引き戸をゆっくりと持ち上げながら、下のレールから外します。
- 重さがある場合は、安定した場所で作業してください。

・引き戸の下部分を手前に引いて引き戸全体を取り外します。

5.引き戸の取り外し完了
- 引き戸を安全に取り外したら、必要に応じて掃除や修理を行います。
注意点
- 引き戸の種類や設置方法によって手順が異なる場合があります。
- 無理に力を加えると、破損や怪我の原因となるため、慎重に作業してください。
- 不安な場合や複雑な構造の場合は専門業者に依頼しましょう。
滑車の取り外し
滑車を取り外した方が製造の作業がしやすいのでここでは取り外す方法を解説します。
私の引き戸の滑車はネジで固定されていましたので、ネジを取り外して滑車を脱着しました。

滑車の掃除
滑車の軸部分には毛髪を中心とした埃類が絡みついていますので、これらを細い棒やつまようじなどで掻きだします。特に、脱衣所では毛髪が発生しやすく、脱衣所の引き戸には大量の毛髪が絡み込んでおりまっせ。

滑車に潤滑剤を塗布
潤滑剤をスプレーやブラシで少量ずつ塗布します。過剰に塗ると逆効果になることもあるため、適量を心がけましょう。 レール全体にまんべんなく行き渡るように、均一に塗布します。

引き戸を元に戻す
引き戸に滑車を取り付け、脱着と逆の手順でレールに戻しましょう。
引き戸の重い動きが解消していましたら、完了です。動きが少し重い場合は、滑車に髪の毛やほこりが残っている可能性があるので再度、同じ作業を繰り返しましょう~。
専門業者に依頼すべきケース
自己修理が難しい場合
引き戸の重さや動きの不調が改善しない場合や、原因が特定できず自分で修理するのが難しいと感じたときは、専門の業者に依頼することをおすすめします。特に、レールや滑車の内部に問題がある場合や、ドアの歪み・変形が著しい場合は、専門的な知識と工具が必要となるため、安全かつ確実な修理のためにプロに任せるのが最適です。
大規模な修理や交換が必要な場合
引き戸のフレームの劣化や破損、構造的な問題がある場合は、自己修理では対応が難しいことがあります。このようなケースでは、ドアの全面的な交換や大規模な修理が必要となるため、専門業者に依頼することが望ましいです。適切な施工と長期的な耐久性を確保するためにも、専門家の判断と作業を仰ぐことを推奨します。
重い引き戸の解消のまとめ
重い引き戸の解消に向けてのポイントは、原因を正しく見極め、適切な対策を講じることです。定期的なメンテナンスや点検を行うことで、引き戸の動きをスムーズに保ち、長期的に快適な住環境を維持できます。
私の経験上、①滑車の潤滑不足、②滑車への髪の毛、埃の絡みつき が大きな原因であることが多く、先ずはこの2点を疑ってみることをお勧めします。
自己修理が難しい場合や大規模な修理が必要な場合は、迷わず専門業者に相談することが重要です。適切な対応を行うことで、安全で快適な暮らしを実現し、引き戸のトラブルを未然に防ぐことができます。
快適な住環境を保つためには、日頃からのメンテナンスと適切な使用方法を心がけることが大切です。引き戸の状態に気を配り、必要に応じて専門家の意見を取り入れることで、安心して暮らせる住まいを維持しましょう。
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